11. ヘソ形目覚 Flag.印 【高野金属品製作所】
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メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
高野金属品製作所 (名古屋) |
昭和初期 | 最大直径12.5 p |
毎日巻き、目覚付 真鍮胴ニッケルメッキ枠、 紙製文字板(Flag印) |
高野のヘソ目ですが、 レアキャラの個体で文字板の商標が「Flag.」で、裏蓋と機械の刻印は菱形T.Oという組み合わせです。 Flag.商標はあまり見る機会がないため補修用の文字板に交換されているのでは?と思ってしまうかもしれませんが 高野のオリジナル文字板で間違いありません。 高野製ヘソ目の文字板はほとんどがローマ数字ですので、1,2,3...のアラビア数字なところも高野っぽさを感じにくいところです。
なお、Flag.商標は掛時計にもごく少数だと思いますが採用していました。
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機械は高野T.O印と同一です。 今回、この機械の修理にはとても手こずりましたので症状が出るか出ないかは個体差はあると思いますが注意点を記録しておきます。
あれれな症状は二点ありました。 一つ目は、長短針の置き回りです。機械はとても元気に動いていて順調に時を刻んで長短針も普通に動いていたのに、 突然針長短針だけが動かなくなっている。で、またちょっと動いてまた動かなくなって、、という具合です。 この原因は二番座(三つ足の板バネ)を抑えるために圧入してある真鍮の部品が油がついたなどでゆるみがでて二番車だけ空回り状態になるためです。 通常は二番座は中真にクサビを打って固定していますが、この時計はなぜか真鍮圧入でこれがトラブルの原因になります。 写真9を見ると過去に何度もたたいて修理した傷があります。
二つ目、これも中真関係です。 この機械は、二番車と前地板との間に真鍮パイプが入っていて中真と二番車の前後の位置を決めています。 この真鍮パイプも単なる圧入である程度の力をいれると動いてしまい、 この真鍮パイプと前地板との隙間が全くない状態になるとざら回りの抵抗となって止まりがでます。 機械のオーバーホールをして簡易的に針をつけて動作試験をした段階ではまったく問題なく動いていたのに、 さーてと全体をくみ上げて長針が脱落しないようにぐっと押し込んだ時に前述の隙間がまったくない状態となって、 いい気分でコーヒーを飲んでいたらいつの間にか止まってる。 チェックすると、ざら回りが重たい感じになってるし・・とミステリアスな現象に見舞われます。 普通の時計は中真自体に段があって真鍮パイプなんて入れてませんから、長針をいくら強くたたいてもこんなことにはなりません。 この時計特有の注意点だと思いますので、忘れないように書いておきます。笑
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