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高野時計

1. 高野時計の概要と商標

高野小太郎は安政2年岐阜今尾町に生まれ、名古屋に出て本町の林時計店に入り時計製造販売を習得。
1895年(明治28年)、宮町で時計の販売を独立開業したが翌年末広町に移転。 1899年(明治32年)5月前津小林三反田で合資会社高野時計製造所を創立、旗印の商標をつけて掛時計の製造を開始した。 機械の精巧は好評を博して信用は加わり、普通品に比して高値に売れるようになって 前面傾斜の額時計 や掛イタリヤ等はその特殊製品の一つであった。

1913年(大正2年)、高野小太郎は掛時計工場を息子の馬次郎に任せ、名古屋で初めて金属製目覚時計を生産するために 別会社の合資会社高野金属品製作所を設立、名古屋でのへソ目、角目覚時計、角オルゴール等の製造に成功し、 これが名古屋における金属製置時計の嚆矢となり、その技術は尾張時計、明治時計に伝えられた。

1924年(大正13)年2月、前記の2つの時計工場を合併して合資会社高野時計金属製作所を設立し各種時計の他に電気器具の製造から兵器の製造も行った。

その後昭和13年4月金属部門を独立させ資本金100万円を以って高野精密工業株式会社を創立し、 一方時計の製造だけは、高野時計製造所を復旧させて相変わらず営業させ、同19年3月戦災で焼失するまで営業を続けた。 戦後もいち早く民需工業に転換して再び時計製造を始めた。

参考文献:

  1. 時計工業の発達
  2. 名古屋時計業界沿革史---浅田浅一編

商標登録原本

明治30年10月15日登録 高野小太郎

明治43年3月3日登録 高野小太郎

明治45年6月27日登録 高野小太郎

大正13年9月9日公告 高野馬次郎

大正15年9月14日公告 高野馬次郎

高野の商標一覧

高野時計金属品製作所昭和初期カタログより

輸出用のカタログですので、見慣れない海外用の商標も含まれています。

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