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明治の時計塔

7. 小林時計店京橋支店時計塔

東京名所 京橋より銀座を望む

明治40年頃

八官町の大時計で有名な小林時計店の京橋支店時計塔。 土蔵造り二階建ての店舗の上に設置された御神輿型の古雅な時計塔である。

建設者は本店及び日本橋支店同様、同店店主二代目の小林伝次郎で、 京橋区南伝馬町三丁目七番地に明治10年頃に建設された。 建築設計は八官町と同じく池田源蔵。 木骨造で外部は白漆喰、その他屋根、腰回りなどは銅板が張られていた。 機械は本支店の例から見てもファーブル・ブラント商館輸入の外国製で打ち方付き。 日本橋支店と同様に明治40年頃市区改正の区画整理のために取り外された。

明治36年頃より吉沼時計店が日本橋通二丁目の本店売却後、この小林時計店京橋支店の店舗を譲り受けて3年間ほど営業していたがちょうどその頃の写真と思われる。

なお、吉沼時計店は明治37年頃にはここも服部金太郎に譲渡して廃業に至り、 この店舗は米国とカナダから自転車や写真機などを輸入販売する石川商会東京支店に受け継がれたようで、 取り除かれた時計部分には石川商会の商標が嵌め込まれた。 その石川商会も明治41年には解散し、この店舗自体が取り壊されさらに高い時計台を備えた日就社の新社屋ができたがその時計台は数年で取り外されたとのことである。

時計塔の機械は時打ち付き

ファブル・ブラント商館の輸入したものと云われる

参考文献 「明治・東京時計塔記」平野光雄著
(昭和43年6月10日発行、明啓社刊 - 改訂増補1000部限定)

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