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明治の時計塔

23. 中山時計店時計塔(文京区本郷2丁目)

中山時計店 N.NAKAYAMA IMPORTER

本郷区本郷2丁目22番地

中山時計店時計塔

明治2年創業の中山時計店は山の手方面の有力時計商であった。 最初は本郷区五丁目10番地で営業していたが、 明治23年頃に東京市本郷区本郷二丁目22番地に土蔵造り二階建の店舗を新築して移転し、 その後、明治31年頃に屋上へ洋風を加味した櫓時計塔を建設した。(上の写真)
一階の屋上はバルコニーとなっており、二階の窓はアーチ型で外開きの鉄製扉をつけ、 その上に時計塔を建設したので、印象深い建物であったようだ。 例えば、作家 三島霜川の小説「昔の女」の以下の一節に出てくる「大横町の時計台」は、 この中山時計店時計塔のことと思われる。

何處といふ的(あて)もなく歩いて見る氣で、小さな時計臺の下から大横町(おほよこちよう)に曲ツて、 フト思出して、通りから引込むだ肉屋で肉を購ツた。

「昔の女」三島霜川(みしま そうせん,1876年 - 1934年)
初出:「中央公論」明治41年12月1日号

時計塔の機械は、店主の中山直正氏が自ら製作した四方時計であり、これは明治時代に東京に存在した時計塔の中で、 唯一の例であろうとされている。 この時計塔は、明治・大正にわたって本郷二丁目界隈に時を告げていたが、 惜しくも、大正12年の関東大震災で焼失している。

参考文献:明治・東京時計塔記、平野光雄著
大横町の時計台について情報提供:かぐら川さん

中山時計店の領収証

ベビーアラーム(ヘソ形目覚)の領収証

明治34年9月11日、9.5x26.5cm
販売元 東京市本郷区本郷二丁目廿二番地 中山 直正

営業品目

金時計類、置時計品々、掛時計各種、双眼鏡各種

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