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ビー目覚時計

9. A型ビー目覚 【精工舎】

No.803 A型ビー目覚

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
精工舎
SEIKOSHA
昭和初期 高 三寸二分
巾 三寸一分
文字板 二吋
毎日捲き、 緑硝子枠(最近で言うウラン硝子)、 ビー目機械、 ニ円八十銭(昭和八年 精工舎カタログより)

キレイですね〜、「ウラン硝子」。
硝子の時計は骨董市場で妙ーーに高い値段がついているので、なかなか入手て出来ませんが、 この時計は傷がたくさんあるので値段は普通の置き時計並でした。 硝子は少しでも傷があるとだいぶ評価が落ちるみたいです。そーいうところも変ですよね。 だって、古いんだから普通のニッケル側だったら凹んだり、メッキが剥がれたり、腐食したりはあたりまえなわけで、 腐食や錆具合が良い景色だったりするわけです。 それが硝子となると縁がちょっと欠けてるだの、あーじゃない、こーじゃない皆んな気にする。 もっと気楽に楽しみましょ〜う。

ウラン硝子とは、着色剤として微量のウランを混ぜた硝子のことで、 原料は、硝子の一般的な成分である珪砂、苛性カリ、石灰石、硝酸カリウムの他に、着色剤として、 2ウラン酸ソーダを通常0.1%程度〜最大で1%程度入れています。 よく見かけるのがこの時計のような鶯色や黄色・緑色ですが、混ぜるものによってオレンジ色、ピンク色、 青色もあるみたいです。 ウラン硝子の製造は1830年代からヨーロッパで製造が始まり、ボヘミア地方を中心に、食器など 各種の硝子製品が大量に作られましたが、現在では、米国などで僅かな量しか生産されていないとか。 ウラン硝子の最大の特徴は、ウラン原子が紫外線のエネルギーを吸収し、元の状態に戻るときに黄緑色の光 を出す点ですが、紫外線は、太陽光や普通の蛍光灯にも含まれているので、これらの下でも蛍光を出します。 真っ暗な中で紫外線ランプをあてると、最もハッキリと黄緑色に光るようです。(紫外線ランプを持ってい ないのでわかりませーーん) ウランと聞くと体に悪いような気がしますが、ウラン硝子に含まれているウランは前述のように通常0.1%程度 で、置き時計の枠のウランガラスの放射能はごく僅か。もともと自然界にも宇宙や地球からの放射線があり、 また、人体のカリウムも放射線を出しているし、テレビやパソコンの画面からも放射線が出ていて、 ウラン硝子の放射線はそれらと同程度なので心配する必要はないようです。

後ろ姿

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