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スイスの時計産業

企業相談及び教育

スイス時計産業は外国との競争が脅威となってきたこの頃になってやっと教育と研究の問題を考えるようになっというのは間違いである。 スイス時計が過去一世紀の間世界市場を支配したという事実は、まさに逆のことを語っている。 ノイエンブルク及びジュネーブの観測所との共同作業の歴史はほぼ一世紀に亙り、クロノメーターの発達もそのお陰である。(クロノメーターの検査が始められたのは1887年である) 時計研究所やノィシャテル時計会議所は、私企業の創ったものである。 同じく私企業が財政援助を行っているノイエンブルク大学は「時計工学士」の免状を出している。 ピール、ラ・ショー・ド・フォン、ジュネーブ、ル・ロックル、サンティミエ、ル・サンチェ、ソーロトゥルンには時計専門学校が創設された。 学校では、技術者、時計工及び "Rhabilleurs" (修理工)が養成される。 Rhabilleur の資格は外国人でも得ることができるが、それは自国においてスイス時計を修理するために選ばれるものである。 工具工、文字盤工、組立工、テンプ工、調整工等その他の教科過程は専らスイス人だけに開かれている。

1956年ドイツ時計業界は、経営幹部及び従業員を養成するために時計専門学校を設立した。 スイス時計産業は、講義資料や展示資料を提供することを決定した。

1958年依頼ロスコップ連盟を含む主要連合体が共同で設立した基準局 NIHS (Normalisation de I'industrie horlogere suisse) が存在している。 昨年は "Centre de techniquue appliquee de I'industrie horlogere" (時計工学応用技術センター)が発足した。 更にスイス時計会議所は、週刊誌 "Revue des inventions horlogeres" (時計発明雑誌)を発行しており、各カード毎に特許が紹介される。 ドイツと日本の実用意匠も紹介される。また時計会議所には、時計関係の特許が集められていて、当地の工業家、技術者、専門学校の教師や学生の便覧に供されている。

ACBFH(ベルン州時計工業社者連盟)は、時計の組立(Remontage)には60時間、調整には70時間、電気関係には60時間のむ補習講座を行っている。 またFHも工場主任のための補習講座を開いており、修業科目は心理学と幹部研修が30時間と工場見学及び実地作業が38時間である。 後進を絶やさないために、職業相談所員、教師、両親及び生徒を対象とした出張広報活動も行われる。 ACBFHはまた、若い特殊専門工を養成するための奨学金も出している。

またFHは Centre Industriel de Developpement (工業振興センター、CID) を設立し、現在活動を開始している。 この関係者はすべて、その職務上の秘密を保持する義務がある。 ここが行う企業相談は技術問題から経営や販売促進の問題にまで及ぶ。

更にFHは企業比較も実施しているが、これは比較対象になる企業の秘密は厳重に守って、コスト構造や合理化問題などについて参加企業に刺戟を与えることを目的とするものである。 これは最初、特に職業の秘密を守るという旧い理想になお従っている時計部門の企業家から不信を買ったようである。

教育の問題に関連し、外国の古くからの得意先の研修を目的とした会議などもまた開かれる。 先頃はアメリカの販売主任を集めた会議が開かれ、ついでに時計工場、素材加工工場、部品工場、時計工芸学校及びノイエンブルクの観測所を参観した。

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