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時計の栞

10. 機械は必ず掃除すること

皆様が日常生活上清掃を尊ばれるように懐中時計は年一回、腕時計は年二・三回以上は必ず掃除することが肝要であります。 只今使用になってもならぬでも、掃除して油を注さねばなりません。

よく聞くことが有りますが、私の時計は五年も六年も買い求めたまま修繕したことがない。 それでも時間がよく合うと云って、大層自慢そうに仰るお方がありますが、これは機械の為にも最も悪いことであります。 丁度生きているものに食物を与えず、働けるだけ働かすようなものであります。 今其の例を挙げて申上げて見ましょう。

前述のように一分間の振動数は三百でありますから、一日だったら天府は四十三万二千回(稀には歯数の違う機械もあります)チャッチャッと動きます。 今現に十六形懐中時計の天府輪を計って見ますと輪の周囲と振動する一回の振幅を計りますと約一寸二分あります。 これに一日の振動数四十三万二千回を乗じますと哩数に換算して九哩六位になります。 これは天府が一日振動する長さでありますから、これを一年に計算しますと三千五百四哩の長さになります。 これに依って見ますと十六形懐中時計の天府は一年に三千五百四哩を走ることになります。 汽車、自動車等が三千五百四哩を走る時は一回の掃除や油差しで動くものでしょうか。

右のような次第でありますから一年も、二年も又それ以上長い間、一回も油を差さず、掃除もせず御使用になりますことは、 やがては時計の定命を縮めることになり、一度具合が悪くなれば取り返しのつかぬようになります。 ですから提時計は一年に一回、腕時計及び小形は二回以上は掃除して油を差し、時計の生命を完全に保持するように圖らねばなりません。

11. 素人の修繕は頗る危険

人が病気に罹った時医師の診断を受けず、素人治療をした為め却って重態に陥り取り返しのつかぬことがありますと同様に、 精密な機械から成る時計・・・・・それを大した故障ではないからと素人修繕をしますと、丁度病人を素人治療した時のように却って大きな破損を生じ、 それが為め時計師が修繕する際に非常に困難を来しますから、素人修繕は絶対に避けなければなりません。

12. 其他の心得いろいろ

側の縁の瑕

側を開いて縁に瑕のあるものは古いとか、時計店で修繕毎に瑕を付け、其の度数を調べるものであるとか言われて居りますが、 それは間違った御考えであります。何故側の縁に瑕を付けるかと申しますと、 側を製作する時、同一工場内に於いても表蓋と裏蓋、胴とは分業で個々別々に製造する為め其の合わせ符牒に用いたものでありまして、 瑕の有無は時計の新古には何等関係はないものであります。

裏蓋は開けぬ様

よく機械を見ると云って裏蓋を開けられるお方がありますが、それはよくないことでお開けになる度毎に埃や塵が入り、 機械に故障を起こし易う御座います。

水に浸した時

水は機械にとって最も恐るべきもので普通浸水後二・三時間、海水なら一時間位も経ちますと機械の全部に錆が廻ってしまいます。 若し過って腕に御付けのまま御湯や海水にお入りになった時は直に時計店へ御持ちになり、 水に浸ったことを話して御手当をお命じ下さい。 そうでないと、前々からの修繕品がありますから多くは直には手当て致しませぬ。 その為め余り時間が経ちまして全然使用し得ないようになります。

針を廻す時

針をお廻すしになる時は必ず一時から二時、二時から三時と順次先へお進めにならぬと機械の為めによろしくありません。

マグネットは危険

機械の主要部のヒゲは極く細い弾力のある地金で作られて居りますから、 マグネットが一寸でも感じると、ヒゲは忽ちその微妙な働きに支障を来しますからマグネットに近寄せぬよう注意せねばなりせん。 万一感じた場合は時計店に御持ちの上其の事情を申し添え直ちに御手当を命ずることが肝要であります。

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