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時計の絵画

5. アリスのウサギ‐3(細密画)

アリスのウサギ‐3
TIMEKEEPER 古時計どっとコム 13周年記念作品

細密画家 水上裕子(みずかみ ゆうこ)
シートサイズ 23 x 29 cm

2011年9月29日(木)〜10月11日(火)に新潟市中央区の「ギャラリー蔵織」で開かれた水上祐子さんの個展の出品作品です。 当サイトがちょうど運営13周年ということもあり、TIMEKEEPER 古時計どっとコム 13周年記念作品として提供いただきました。

タイトルの通り「不思議の国のアリス」の巻頭を日本版シーンで描いたものです。 ホワイトラビットは江戸時代の出で立ち、持っている懐中時計は、 舶来機械を用いて文字板と側を日本で改造したもので、「和前時計」と呼ばれる国産の懐中時計です。 新潟塗り(竹塗り)の額の周りには新潟県の「県の鳥」朱鷺(トキ)が羽ばたいています。 額の中に落ちてゆくアリスは、まるで江戸〜昭和初期の時計が集まったTIMEKEEPERの奇妙な世界?に落ちて行くようではありませんか。笑

細密画家、水上裕子さんのワンダーランドの真骨頂です。 画像をクリックして拡大すると面白さや素晴らしさがよくわかります。

水上祐子 新潟市出身の若手細密画家

町内サーカス

彼女の代表作の中に西欧風街並みを俯瞰した「町内サーカス」という作品があります。万国旗や風船が乱舞し、地上では色々なジャグリングの曲芸師が見えます。 それらは一見テントから飛び出した楽しいサーカス風景ですが、よく見ると全ての窓からチラシを吐き出す洋館や屋根の上にはピエロや子猫の際限のない行進や綱渡りのロープをかすめて翼の生えた馬たちが滑空しています。 俯瞰遠近法の焦点は建物それぞれで違い、見る者の目線が惑わされます。 そんな不条理でありながら明るい世界が画面いっぱいに細かく正確に描かれています。何度みても、次第に不思議で「シュール」な世界に引き込まれてしまいます。

1924年に宣言されたシュルレアリスム(超現実主義)という言葉も20世紀後半では「シュール」と呼ばれ商業化、日常化してしまい、 ついに21世紀では、9・11と3・11の出来事で「シュール」という概念を現実の方が追い越してしまいました。 見慣れたモノたちが不思議な組み合わせで動き出す彼女の作品には奇怪な気持ち悪さはなく「明るい幻想」とでもいうものでしょうか。 また、社会の矛盾や人間の影への意識を過剰に強調するものでもありません。その辺が物足りなく映るかも知れませんが、 そのことこそがバブル崩壊を知らない新しい世代の「シュール」を突き抜けた感覚であり、若者なりの真摯なアートの模索の姿なのだと思います。 (蔵織店主謹曰)

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