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掛時計の文字板

4. 木村健吉製の張替え文字板

SURFACE PAPERMAKER WATCHS CLOCKS

BY KIMURA-KENKICHI
No.7 MIZUTANICHO KIOBASHIKIWA TOKIO-JAPAN

KIMURA-KENKICHI : 木村健吉」、オリジナルの文字板にこだわる人には有り難くない?名前ですが、 木村さんの仕事振りを拝見して見ましょう。
明治期より木村健吉商店は張替え文字板を専門に作っていた印刷屋で多くのボンボンにその名前を見る事が出来ます。 古い時代に有ってもオリジナルの塗り文字板が剥げて汚くなると代用紙文字板が作られ、 代用文字板は、はじめは専門の職人が彫った版木を利用して自家製の紙文字板を作成していたことは前述しました。
その後、このような印刷の替え文字板が作られ普及していて全国の時計商に利用されました。 その替文字板商大手が木村健吉氏です。

木村製の替え文字板はY時の下に、以下のように有り、 又、日本語で「東京新京橋際木挽町一ノ二木村健吉製」と書いてあるものも有ります。(SURFACEの替わりにDIALとあるのも有る)

SURFACE PAPERMAKER WATCHS CLOCKS BY KIMURA-KENKICHI No.7MIZUTANICHO KIOBASHIKIWA TOKIO-JAPAN

替え紙文字板には架空のロゴマークを入れたものも多くYとかHとかの文字が多いようです。 戦後は特に時代遅れとなって、不評なローマ数字の文字板は傷んでいなくとも修理に出されると、 新しいアラビア数字の紙文字板に張り替えるのが流行したそうです。(時計屋さんの昔話)
今思うと、もったい無い話ですが、 ローマ数字が殆ど時計の文字板でしか馴染みがないので子供の教育にも不都合で有ったのはいたしかたない時代の変遷だったのでしょう。

正式の取り替え方は塗りのペイントを綺麗に剥いでから張り替えますが、中にはペイントの上にじかに張ったものも有り、 手抜きなのでしょうが、上手く紙文字板を剥ぐとオリジナルの塗り文字板が綺麗に出てくる事もあり、手抜きに感謝です(笑)
ボンボン時計の文字板の数字は精工舎で言うと、アラビア数字はハイカラな座敷時計のような琺瑯や金属文字板には大正から出始めますが、 一般的な尾長八角では関東大震災以降に現れ昭和になり普及していきます。
上の写真はニューへブン12吋DROPOCTAGON、R.C.の文字板に貼られた木村製紙文字板。

木村健吉商店(印刷屋)の広告

時計と貴金属紙

大正5年7月10日号公告より

東京時計商報

大正10年9月号

八角時計ラベル

八角時計の裏のラベル

PAPER-DIALS
MANUFACTURED BY
KENKICHI. KIMURA.
・・・
Manufacturer of Horse Marked Paper Dials

なんと、八角時計の裏のラベルまで作っていました。 裏ラベルを張り替えることは通常有り得ないので、需要はなかったと思うのですが、 健吉さん、どういう魂胆か? Horse Mark(馬印)が健吉さんの商標であったことがわかります。

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