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掛時計の振子いろいろ

1. 精工舎のスリゲルの振子

掛時計の振子、特にスリゲルタイプに焦点を当てて、国産と舶来の違いを見てみましょう。
まずは、国産の代表の精工舎製から。

右が古いタイプボンボン式スリゲルの並スリなどの振子で、ニッケルメッキ。 振り玉のRAはペイントタイプで琺瑯では有りません。 これは必ず文字盤と同じ材質になりますのでどちらかが変わっていればどちらかが後家になります。 振子の根元に穴があいているタイプでボンボン時計のように振り竿の先をこの穴に引っ掛けるタイプです。

左は明治44年以降のパリーやベルリンなどのユンハンス式の新型スリゲルの振子。 このタイプの振子は精工舎はこれ一本(一種類)のみで、形としてはユンハンスの新しい方の振子をコピーしています。 振り玉のRA板は琺瑯製でこれも琺瑯文字盤と連動、言い換えるとパリーやベルリンは文字盤が琺瑯なので RA板も琺瑯ということです。

RAって何?

RA板の入った振り子は、RA-pendurum(RA振り子)などとも呼ばれていますが、ウオッチでも時計の速度を調節する 緩急針のところに同じ文字が入っています。
掛時計では時計の遅れ進みを調節するのを、この振子の下に付いてるナットを左右に回して、振り子の長さを調節して時間を 合わせます。フランス語で右へ回すと進み(A:Avance)、左へまわすと遅れる(R:Retard)ということで、 英語で言うとSLOW←→FASTと言う事です。
なお、ドイツ、米国ではカタログではスリゲルの事をレギュレーターと呼んでいますので、 ドイツ製のようなRA振子の付いたスリゲル(レギュレーター)をRA-Regulatorと呼びます。 アメリカ製にはRAの振子は無いようです。

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