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JUNGHANS(ユンハンス)

4. ユンハンス キノコの山?(ビエンナのコピー)

1890年以降の商標

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
ユンハンス
(ドイツ)
明治期 琺瑯文字板5.5吋 ユンハンス機械
プレスマウントブラケット(機械取り付け金具がプレス)

破風飾りがキノコの山?のようなこのタイプは、アメリカの時計卸商KROEBER CLOCK Co が1880年頃、 組立て販売したアメリカ製ヴィエンナレギュレーター(分銅引きスリゲル)のデザインをコピーしたもののようです。
この時計のケースは国産と思われます。

お手本になったビエンナ

左から二番目。

典型的な3尺ゼンマイ引スリゲル(一般的サイズのスリゲル)の2種の機械

典型的なユンハンスの2種類の機械、両方とも8ポイントスターのJマークの刻印あるので1890年以降の機械、14日巻半打ち機械、 日本に於いては明治後期から大正にかけて普及したものと思われる。この2種の機械の内、左が少し古いと言われている。
裏から見ると左の機械はアンクルが左に寄り、センターから下がる振り竿に左からアンクル竿が絡むが右の機械はアンクルがセンター に有り振り竿、アンクル竿、クラッチが一直線に並ぶ。クラッチの形が違う、地板の型も少し違う。 左はJマークの刻印が地板の右側に、右はセンターに有る。 又刻印の無いものも散見する。左は一番車が両方、打ち抜きの無いべたの一枚板の車のタイプもある。

左の方が古く徐々に右に移り変わった

文字板

左がローマ数字が少し細字体、針の形が違う。文字板は2枚(ツーピース)琺瑯文字板。 機械をブラケットに止めるネジの格好も違います。

格子RA振子

左が一本がけフック、右が幅広アームのフック、上の機械写真に相応しています。 フックと格子のデザインが違っています。右は振り玉の外周の膨らみが大きく、中のRA琺瑯盤も大きい。
右の振子は明治40年代以降と見られるが徐々に旧式から新式に移り変わったもので時代の判定は難しい。

左の振子は上の左の古いタイプの機械に、
右の振子は上の右の新型タイプの機械に付く。

以下は、ユンハンス本国のカタログの振子リスト。

33個の振子の内、格子振子だけでもこれだけのサイズ、種類が有る。

機械のマウントブラケット

機械のマウントブラケットは左が左側の機械のもの右が右側の機械のもの。左は鋳物タイプ(キャスト)右はプレスタイプ、 キャストタイプはJ−マークの文字の入ったタイプも有り。(下段写真)

鋳物タイプ(キャスト)

プレスタイプ

鋳物タイプJ付

修理に便利な複製品!?

今まで紹介のものはもちろん当時のオリジナルですが、実はアメリカの通販でこれらの複製品を売っています。
欠品したり、壊れたりしたものを修理するには複製品はとても便利ですが、最近作られた複製時計(リプロ)や部品寄せ集めの ガッチャマン時計にもこれらの部品が使われることがあるようです。
数年前の複製品ですが、以下に紹介します。

複製品だが出来が良い

複製品は時代色がつけてある

5.5吋琺瑯文字板は大変良く出来ていますのでセットしてしまうと分かりません。 文字板のダメージがひどい時には大変助かるアイテムです。
左二個、リプロの振子です。一番右がオリジナルの振り子。 左は一本掛けではなく名古屋ものによく有る穴あきタイプです。ユンハンスにはこの穴あきタイプは有りません。 中が幅広アームのフックタイプ、全体にメッキのはげたような時代色が付いている。振り玉盤はRA琺瑯盤。右端がそれのオリジナル。

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