TIMEKEEPERのバナー

ANSONIA(アンソニア)

4. ANSONIA HABANA(涙の滴)

HABANA

涙の滴

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
アンソニア
(米国)
明治期 文字板六吋
全高64cm
八日捲き 打方付

ボンボン時計の人気三バカ・・あいや、三羽烏ってなんでしょう?
一つはユンハンスの小型バイオリンで、二つ目は涙の滴の愛称で人気のこのハバナでしょう。 三つ目はそれぞれ意見が分かれるかも知れませんね? という事で人気者の登場です。

アンソニアは掛時計に都市の名前を付けた商品が沢山あり、このハバナもキューバの首都の名前から取ったものです。 このスタイルの置形のものをパリジャンと言う商品名でも出していますし、他のメーカーも出しています。 (ニューへブンやE.N.ウエルチもパリジャンやパリの名前で同じスタイル有り)
銀彩ガラス絵は花籠で絵柄はこの他に何種類かの異版があります。 面白い事に国産でもこのコピーを名古屋の各社が作っていて下は尾張時計のものです。 涙の滴(tear drop)の由来となった下向きのギボシと両サイドの飾りの形が少し違っているのがお分かりになるでしょうか。 愛知時計のカタログを見ると名前もハバナになっていてこんなにすべてパクっていいのだろうかと思うくらいです。(笑) コピー王国だった日本の面目躍如たる商品です。
見本となったこのアンソニア、ハバナは古い日本の時計店のシールが振子室の中に貼ってあるように日本にもそこそこ輸入され 普及していた様です。(カタログ参照)

時代はアンソニアがコネチカットからニューヨークに移って(1879年)からのANSONIA CLOCK COのものです。

ハバナをコピーした国産製品

名古屋の尾張時計の製品

第七十一號 ハバナ

愛知時計電機株式会社
大正7年カタログより

アンソニアハバナの当時のカタログ

アンソニア1894年カタログより

HABANA

ハバナが日本で売られたことが分かる珍しいカタログ

大阪、堀米商舗商品案内
明治33年より

涙の滴物語

お手軽な恋愛小説のようなタイトルですが・・ハンカチ無しで読めますのでご安心?を(笑)

涙の滴とは言いえて妙なネーミングですが米国アンソニア社のクロック「ハバナ」及び 「パリジャン」などを指してこう呼んでいるようです。 一体誰がこういったロマンチックな?名前を考えたのでしょうか?

このスタイルはアンソニアだけでなくニューへブン、E.Nウエルチなどが同様なものを作っています。 上からサイドに流れる曲線の延長に涙滴形のギボシが付くのが特徴で、そのため「涙の滴」と名付けられたようです。 バイオリン型などのように日本人の命名では有りませんが宝石などにも有ったような名前を上手く流用したのでしょうね。 昔、国内でハバナのリプロ時計の通販の広告を週刊誌で見た記憶が有ります。 それにはハバナではなく「涙の滴」という名前が付けてあったようで、上手いこと言うな〜・・と思ったものです。

1970年代になると米国で写真やカタログの入った古時計鑑定本が流行ります。 MILLERの鑑定本などを見るとパリジャンなどがTEAR DROP SHELF CLOCKとして紹介されていますので、 涙の滴はこのTEARDROPの邦訳で有る事がわかりますが、TEARDROP(涙の滴)はすでに色んな所で使われていた言葉でもあり、時計特有の造語では有りません。 この辺の鑑定本を見た人がリプロを作るときに命名のヒントにしたものでしょう。 ちなみにSHELF CLOCKというのは広義の意味で置時計の事をいい、直訳すると棚時計ですが棚だけに置くのではなく、 マントルピースもテーブルもすべて棚の一種であるという考え方のようです。もう一つの壁掛時計の方はWALL CLOCKと呼びます。 米国ではこの置タイプのボンボンが掛タイプのボンボンより普及していました。 家屋の大きさに関係していたのでしょうが、日本製ではこの置きタイプのボンボンはあまり普及せず、 むしろ東南アジアへの輸出手に多かったようです。
記憶があやふやですがこの辺の涙の滴事情を詳しくご存知の方はご教示ください。

PR




左向きの矢印前頁1 / 2 / 3 / 4 /