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時計すりもの

1. おもちゃ絵とは

錦絵の中で子供達の遊びや教育、啓発に絡む単語や道具、動物尽くしなどの錦絵をおもちゃ絵と呼んでいます。
その第一人者は歌川芳藤(1828〜1887)でおもちゃ芳藤と呼ばれたほどの人気が有りました。特に猫の戯画シリーズは傑作です。
幕末の開国、明治の文明開化でいろんな言葉や品物が入ってくるようになり、それらの紹介や啓発を兼ねたおもちゃ絵もたくさん 発行されました。

これはおもちゃ絵の単語集が使われていた様子を描いたもの。 明治初期の「開化出世壽語呂久」より振り出しの小学校の図。

2. 新版英字いろは単語 芳虎筆

幕末 芳虎筆

ハマ絵で有名な芳虎のもので外国語をいろはのシリーズにした一枚です。 ローマ字にはいろはが、数字には英語の音読みが振ってあります。
絵には日本語に怪しげな英語とドイツ語が散りばめられていて、大人も子供もこういうものを見て新しい時代の到来を感受して いたのでしょうか?
時斗(とけい)と題された絵にはなんと和時計の絵とLANG(ラング)と有ります。 LANGはドイツ語で英語のLONG相当ですので時計の単語としては不適切な気がします。 CLOCK(英語)かUHR(ドイツ語)が妥当ではないかと思いますが・・・不思議です。 また絵は懐中時計でなく和時計であるところが珍しく、時代を感じさせます。
あなたがSHEでわたしがICHといった混乱振りも面白く細かい内容は作っている人達もまだ良く知らない時代なのですね。

時斗(とけい)
LANG ?(らんぐ)

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