18. Miniature alarm clock 【U.M,Müller】
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
Uhrenfabrik Mühlheim, Müller & co., | Circa. 1935. | Dial, 2 Inches. | 1-Day Time. Steady alarm. Nickel Plated. |
商標をフランスのバイヤール社のWalking Lionと思って入手したところ、 よく見れば MADE IN GERMANY とあるじゃないですか。 調べてみたら、創業1900年のドイツU.M,Müller社の商標でした。
後述のようにピクリともしない状態で入手しましたが、 超小型目覚しながら、シンプルに上手にまとまった作りである印象でこのタイプの時計にありがちな 操作感の不都合や分解時のイラつき、ちょっとしたことで停止するということがなかったので、 ストレスなく修復作業ができました。
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機械は裏蓋を取り外し、上部の取っ手と脚を取り外せばいとも簡単にスポーンとでてきます。 文字板はピン止めではなく三か所をネジ止めしており丁寧です。 精工舎のウラビーのように時方と打方で二階建ての構造にはなっていませんので、 前後地板を分離すれば全部がバラバラです。
不具合は二点ありました。 ひとつは、ゼンマイをちょっと巻いて振っても時方がピクリとも動かなかったこと。 ガンギやアンクルが動く気配がないのでこれは重症か?と思ったのですが、 原因は故障や摩耗ではなく時方のゼンマイをいっぱいに巻いてから20時間くらいするとゼンマイの外周が天輪に接触していました。 ゼンマイの巻き癖なのかもしれませんが、特殊サイズのゼンマイだしそのままでいっか〜とこれは不具合許容です。笑
もう一つはザラカナピンの破損です。 これはちょっと厄介でした。 ピンが極細なため折れたり曲がったりなくなったりしていましたので、鋼棒を切って入れなおしました。(写真10) 直径0.3mm程度ですので爪や指の指紋の間に隠れそうなサイズです。ピンセットで掴むとびょーんと飛んでしまい二度と見つかりません。 ということで10倍のキズミを使いながらカナ玉を分解して新しいピンを入れて、なんとか仕上げたのでした・・。
写真9はガラスとガラス縁です。 金属製のガラス縁の内側にガラスの縁がぴったりと嵌まる珍しい構造になっています。 なのでもしガラスを割ってしまうと代用品を入れるのが厄介かもしれません。
U.M,Müllerの商標
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U.M,Müllerの時計は、商標のライオンの尻尾の向きで年代を判別できるらしいです。 ライオンの尻尾が上向きの場合は1930年以前のもの、尻尾が下向きは、1930年代半ばから後半のものです。
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